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醤油づくり180年の歴史

文政13年(1830/江戸時代)建造の歴史ある蔵の中で、当時からある40本程の杉桶を使い、日本の伝統的製法の「天然醸造」で醤油づくりを行なっている松本醤油商店。
機械化がすすむ現代で、手作業・原料・製法にこだわり、職人の培われた目と腕によって生まれる醤油は、江戸時代より小江戸町人の舌を楽しませてきた逸品です。
醤油蔵のある敷地には直売店「醸ん楽座」もあり、こだわりの醤油をはじめ、醤油をベースにつくられた各種調味料やもろみ漬け、たまり漬けなどを買うことができます。また、醤油蔵の見学も可能です。
天然醸造とは?

松本醤油商店がこだわる「天然醸造」とは何か?
それは自然の温度変化に任せる醤油づくりのこと。春夏秋冬の四季の移ろいに任せ、冬の寒さ、春のポカポカ陽気、夏の暑さ、秋の涼やかさを経験させながら、1年もしくは2年の時間をかけ熟成・発酵させることで深い旨味を出すことができます。
大きな工場の大量生産ではなしえない、手間と時間をかけた手づくり醤油は、まさに本物の醤油といえます。
製造工程を見てみよう


麹(こうじ)づくり
醤油の原材料は大豆と小麦。まずそれらに麹菌をまき、3日をかけて麹をつくります。
出来上がった麹を杉桶にうつし、食塩水を加えてたものが「諸味(もろみ)」です。この諸味を1年かけて熟成させていきます(再仕込み[2年目]の場合は生醤油をいれます)。

熟成・発酵
麹菌や酵母菌などの菌によって諸味の熟成が進んでいきます。しかし天然醸造方式では人為的に菌の添加はしません。菌は建造180年のこの蔵に生きているからです。なので蔵の拭き・掃き掃除は出来ません。菌がいなくなってしまえば醤油がつくれなくなってしまいます。

櫂入れ
混ぜる作業を「櫂(かい)入れ」といい、上層と下層を入れ替え諸味に空気を入れる作業です。常温による自然熟成なので、季節や諸味の状態によって櫂入れの頻度も変わっていきます。

熟成諸味
1年間、夏の暑さ、冬の寒さをくぐり抜け、自然に熟成された諸味。大量生産ではつくれない、時間をかけただけのことはある奥深い味わいになっています。
※醤油蔵見学では、貴重な諸味を試食することができます。

圧搾(絞る)
醤油づくりの最終段階。熟成諸味は固形物が残っているので圧搾工程で絞っていきます。袋状にした布に諸味を入れ、それを何層にも積み重ねることにより、自然の重みによりろ過されていきます。3日かけ絞り出たものが生醤油と言われるものです。
生醤油はまだ菌が生きている状態です。これを「火入れ」することにより殺菌と同時に香りを高めていきます。
商品
松本醤油商店の醤油は大きく分けて3種類。
それぞれ違った旨味や香りを楽しむことができます。

松本醤油商店のメインの醤油がこちら。天然醸造で2年間熟成させ、味に深みのある醤油。旨みと香りがよいのが特徴です。

天然醸造で、木桶で1年間熟成させた濃口醤油。幅広い用途で使うことができる一品です。

1桶だけを使った少量生産の醤油。はつかり醤油よりも旨みが強く、まろやかな甘味が特徴です。刺身や冷奴など卓上用として。

かわりだね醤油
通はモノで醤油を使い分ける!のり醤油、生姜醤油、山椒醤油、島唐辛子醤油。

たれつゆ
はつかり醤油をベースにつくられた各種調味料。めんつゆ、だし入り醤油、ポン酢など。

もろみ漬け
大根・ごぼう・にんにく・生姜を天保蔵醤油のもろみに漬けこんだ一品。たまり漬けもあります。

炊き込みご飯の素
醤油屋さんの炊き込みご飯の素!いつも通りの炊飯にコレを入れるだけで。工夫次第では茶碗蒸しなどにも使用できます。
店蔵は文化財!
松本醤油商店の始まりは、川越を代表する豪商であった横田五郎兵衛の分家を、初代松本新次郎が土地と家屋を明治22年に購入。同時に醤油製造業も引き継ぎ、「松本醤油商店」が誕生しました(醤油の製造は江戸時代より行われています)。
購入した家屋の内、通りに面している店蔵が川越市の有形文化財に指定されています(写真下左)。外観は、川越では珍しい白漆喰仕上げ。窓も川越大火後に多く用いられた観音開扉ではなく、内側から開け閉めするタイプ。屋根瓦など装飾性も少ないのが特徴です。
訪れた際は蔵造りの街並みに並ぶ店蔵と見比べてみてください。重厚感のあるどっしりとした蔵造りではなく、軽やかな印象をうけます。

この店蔵はもともと松本醤油商店の事務所&店舗で、当時醤油の計り売りをしていたそうです。現在は「glass Art Blue moon」が店をかまえています。店内をのぞくと当時の梁や箱階段、時代を感じる金庫などがそのまま残っています。

醤油蔵の見学
文政13年(1830/江戸時代)建造の歴史ある醤油蔵の見学をすることができます。醤油づくりの解説や諸味の試食なども行われます。 ※要予約
詳しくはこちらのサイトををご覧下さい。
→ 見学のご案内/醸ん楽座
スポット詳細
名称 | 松本醤油商店(まつもとしょうゆしょうてん) |
---|---|
住所 | 埼玉県川越市仲町10-13 |
WEB | http://www.hatsukari.co.jp/ |
時間 | 9:00~18:00 |
休み | 年中無休 |
料金 | |
所要時間 | |
駐車場 | あり |
指定 | 市指定 有形文化財 建造物: 松本家住宅 |
アクセス
関越自動車道「川越IC」より | 16分 |
圏央道「狭山日高IC」より | 33分 |
西武新宿線「本川越駅」より | 13分 |
東武東上線・JR川越線「川越駅」東口より | 23分 |
東武東上線「川越市駅」より | 14分 |
駅 | バスの種類 | 系統 | 下車するバス停 | 徒歩 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 東武東上線「川越駅」東口, JR川越線「川越駅」東口, 西武新宿線「本川越駅」 | 東武バス | 川越01,川越02,川越03,川越04,川越09,若02,東坂02 | 仲町バス停 | 2分 |
2 | 東武東上線「川越駅」東口, JR川越線「川越駅」東口 | 小江戸名所めぐりバス | 仲町バス停 | 3分 | |
3 | 東武東上線「川越駅」西口, JR川越線「川越駅」西口, 西武新宿線「本川越駅」 | 小江戸巡回バス | 蔵の街バス停 | 5分 |
参考書籍・リンク

川越市教育委員会
小江戸川越 醸ん楽座
小江戸川越を代表する のれん会 今月のお店 松本醤油商店
しょうゆ情報センター
広報川越 「先人のあゆみ24 十七万石を支えた豪商 横田五郎兵衛」
松本醤油商店 - 地域情報動画サイト 街ログ
掲載の観光・地域スポット情報は2011年8月現在のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。